大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和39(あ)502 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

東京高等検察庁検事長松本武裕の上告趣意第一について。

所論は、原判決が、本件商法違反の罪について、「任務即ち身分を有しない者を

して、任務を有する者の任務違背の所為につき、共同正犯としての責を負わしめん

がためには、その際任務を有する者が抱いた任務違背の認識と略同程度の任務違背

の認識を有することを必要とするものと解しなければならない」と判示した部分が、

論旨引用の各判例に違反するというのである。

しかし、原判決の判示するところは、要するに、身分のない者について本件商法

違反の罪の共同正犯が成立するためには、身分のある者について同罪が成立するの

に必要な任務違背の認識と同じ程度の任務違背の認識が必要であるというにあるも

のと解されるので、所論昭和八年九月二九日、昭和四年四月三〇日、昭和一三年四

月八日の各大審院判決、および昭和三〇年一〇月一一日の東京高等裁判所の判決に

相反する判断をしているものとはいえず、かえつて右各判決は、原判決の判示する

ところと同じ立場に立つているものというべきであるから、所論は採ることができ

ない。なお、所論の大正一五年九月二三日および昭和九年六月二九日の各大審院判

決は、事案を異にし本件に適切でない。

同第二は、いずれも単なる法令違反の主張であり、同第三は、いずれも事実誤認

の主張であつて、すべて刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同法四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和四〇年三月一六日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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